2015-01-01から1年間の記事一覧

ルック・オブ・サイレンス ※ネタバレあり

ジョシュア・オッペンハイマー監督の前作『アクト・オブ・キリング』と対を成す作品。共に、1965〜66年にかけてインドネシア各地で勃発した100万人を超える大虐殺の事実に迫るドキュメンタリー映画である。殺されたのは「共産党員」というレッテルを貼られた…

今日のご褒美

職場を出ると目の前に大きな虹が。ここのところ溜まっていたものがスーッと透明になり、一瞬だけ心が軽くなる。「虹の麓に行ったことがあるかい?」昔、誰かがそんなことを言っていた。よくあるおとぎ話だろう。話のその先は覚えていない。そばを通りかかっ…

ターミネーター 新起動ジェニシス

とにかく懐かしい気持ちがいっぱいで。この手の映画はお祭りモードで観るが吉。仕事帰りにベルギービールを飲ませる店にて夕食。アルコール度数10%前後のベルギービールをぐいぐいやって、テンションを高める。疲労と体調不良とビールのハーモニーで回転数が…

空回る人

その想いや信念は決して間違っておらず、反論の余地のない正論だが、根回しや、伝える手順、言葉の選び方、相手の反応を先回りして考える力、などなどが足りていなかったりずれていたりすると、相手からは反感を買うし、傍目には滑稽だし、近くの人間はフォ…

悪党に粛清を ※ネタバレあり

デンマーク人監督が作った西部劇。これまでのウェスタンとは色合いが異なり、ノワール感が満載だ。この映画の魅力を列挙しよう。1.アメリカは移民の国西部開拓時代は、ヨーロッパからの入植者たちで溢れかえっていた。ということは、似て非なる文化や背景を…

コングレス未来学会議 ※ネタバレあり

ロビン・ライト(本人役)を通じて奇妙なバーチャル体験ができる映画。『戦場でワルツを』と同じ監督だと知ったのは鑑賞後のこと。実写+アニメーションというモチーフはフォルマン監督らしいと納得。『戦場でワルツを』は、PTSDによって20年前の戦争体験を…

限りなく0に近い夢

サマージャンボ7億円、サマージャンボミニ7000万円。 1%よりも限りなく0に近い夢に、どうしたって想いを馳せてしまうのは、非常に人間らしい性。 富くじ祭に参加する人数がいればいるだけ、予算が増えて確率が下がる。…というわけでもない仕組みに敢えて乗っ…

舌にしみついた記憶

部下がハワイ旅行に行ってきたそうで、お土産にチョコレートをもらった。三種類あって、中がマカデミアナッツ、クランチ、キャラメルと、どれも美味しくいただいた。昼休みを取れていなかったので、ありがたい糖分補給だった。ハワイのチョコレートはなぜあ…

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』は、「正義、友情、勝利」の王道を行くヒーロー物だった。アベンジャーそれぞれの視点を描きながら、物語本筋の求心力は常に保持した状態で最終決戦までもつれ込む。CG全開でアクションもバッチリ楽しませてくれ…

浸食

以前は、歌舞伎町はこの辺りまでくればいかがわしい空気がぷんぷんしていたものだ。しかし、ゴジラが見下ろす今となっては、ちょっとしたアミューズメントパークさながら健康的なカップルや退屈そうな若者たちの往来に、本来の姿であるこの雨のようなジメッ…

シネマティックキャット

気だるい梅雨の午後。キッチンでは妻が昼食用にカルボナーラを作っている。いつもどおり、味見のしすぎで味がわからなくなったとぼやく。ここのところ疲れがたまっていたせいか、それとも気圧配置の関係か、とにかく何もやる気が起きない。締切の迫るシゴト…