気だるい梅雨の午後。
キッチンでは妻が昼食用にカルボナーラを作っている。いつもどおり、味見のしすぎで味がわからなくなったとぼやく。
ここのところ疲れがたまっていたせいか、それとも気圧配置の関係か、とにかく何もやる気が起きない。締切の迫るシゴトを抱えつつも、どうにも身体が動かない。
部屋の中を目玉だけ回してぼんやり眺めていたら、猫と目があった。
「だるい時は、何も気にせず、のんびり映画でも観たら?」
そうかもしれない。心と身体をリセットするにはちょうどいい。
カルボナーラを食べたら、そぼ降る雨の中、映画館へ行こう。