2019 day76

『ビール・ストリートの恋人たち』は、アーティスティックな映画だ。劇中、「アーティストという言葉が嫌いだ」というセリフが出てくるが、本作は紛れもなくアーティスティックだ。スクリーンに映し出される色のハーモニーが素晴らしい感動を与えてくれる。光と影、黄色や緑や黒のコントラスト、煙草の煙のダンス、ワンカットワンカットが絵になる。それに衣装がとてもおしゃれ。ティッシュをはじめ、女性陣の衣装が色もデザインも素敵で見入ってしまう。男性陣も、特にティッシュの父親の衣装がよかった。なぜアカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされなかったのだろう?

スパイダーマン:スパイダーバース』はアニメーションの新たなステージ、新しい時代の幕開けを感じさせてくれる作品だった。この衝撃は滅多に出会えるものではない。今この時だからこそ体験できた衝撃だ。近年で言えば、『マッドマックス:怒りのデス・ロード』を観た時と同じような感覚だ。絵柄もモーションも吹き出しも音楽も、キャラクターや設定まで、まあどれもこれも美味しい。アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したのは当然の出来栄えだ。

そんな素晴らしい映画体験を今週は平日からできたので、普段より幾分か興奮した状態でこの週末に突入した。今日は息子の洋服を買い替える為に、ショッピングモールに行った。さすが日曜のショッピングモール、午前中だというのに人がわんさかいる。

妻と息子を連れ立って子供服の店へ。好きなブランドなので、どれもこれも可愛くて目移りしてしまう。試着OKの店だから息子は完全に着せ替え人形。あれもいいこれもいいと、何着か選んでレジに向かう。会計を済ませ店を出ると隣の店にも目を惹く子供服が。吸い込まれていく両親。2歳の息子は既に退屈気味。またまたシャツやズボンを買い足す。

さらに、そのあとユニクロにも行って部屋着を何着か買って、あーけっこうお金を遣ってしまった。もう疲れたし帰ろうか。と、外に出て、そう言えば自転車を見たいと妻が言っていたのを思い出し、3人で自転車屋さんに向かう。息子がすかさずストライダーを見つけて走り寄っていった。誰も教えてもいないのに、ハンドルを握ってうまく跨った。そして店内をストライダーでゆるゆると進み始めた。ハンドルを曲げればカーブを描けることを知らないので、コーナーに差し掛かると突き当たりにぶつかってしまう。こうやるんだよと教えてやると、次からは曲がれるようになった。

妻がママチャリを見に行っている間も、息子はずっとストライダーに乗っていた。引き剥がそうとしても離れない。仕方ない。いずれ買い与えようと思っていたものだ。そんなに気に入ったのなら買おうかな。

ヘルメットを選んでお会計。げっ、意外と高い。今日はだいぶ散財したぞ。懐は痛んだが、気持ちは充足した。帰ったら家の前でストライダーを教えてあげよう。それから新しい洋服で着せ替えして遊ぼう。

妻の、私にも買ってよ、と言う声は、今のところ聞こえないふりをしている。ちょっと今月は、もうムリ。