2019 day52

昨年末からの仕事の逼迫具合がいよいよピークにきている。皆、体力的にも精神的にも追い詰められている。こういう時こそ、その人の限界値というのがよくわかる。ただひたすら歯車化する人。自分への負荷を顧みず拾いまくる人。暴走する人。

今日の苦しみは今日を凌ぐ為のものなのか明日に繋げる為のものなのか。その答えによって苦しみの意味合いが全く違ってくる。場当たり的な力技は長く続くはずもなく、今はもうそういう時期は過ぎたよ、同じ苦しむならもっと先を見越して苦しもうよ。最近はそんなことを配下メンバーに説いている。

この前、映画『3月のライオン』の前編をHuluで観た。ピンチの時に自分を見失うことが一番危険。場当たり的な立ち回りでは決して勝てない。そういう時は基本に立ち戻り、深呼吸をして全体に視野を広げ、勝機を探る。答えは必ずどこかにある。見つけられる。手繰り寄せられる。

今まさに配下メンバーに伝えたいメッセージがこの映画で語られていた。

人生と映画が交錯することがある。現在進行形の出来事と重なって共感したり、悩みが解決できるようなアイディアが見つかったり、表出されていなかった感情に気づかされたり。一本の映画から得られる経験は、小さな人生の中の大きな財産だ。

3月のライオン』後編は、今夜、帰宅したら観る。いったん頭の中を空っぽにして、観る。

2019 day49

今月はもう残業しない(正確にはできない)と決めたら、今日と明日の仕事の境目をはっきり作ることができた。簡単に言うと、今日中に仕上げなければならないこと以外は翌日に持ち越すという諦めというか潔さ。先週でひと山越えたということもあるが、自分の中で割り切ることができるようになった。大枠をまとめ上げ調整しておけば、あとは配下メンバーに任せておけるという立場だからそれができる。月の後半は割と自分の手が空くということもある。そんなわけで、19時前にはタイムカードを切った。(ちょっと残業しちゃってるじゃないか!?)

スタスタ歩いて電車に乗って、ふと気がつくと映画館の前に立っていた。そのままレイトショーで『女王陛下のお気に入り』を鑑賞。

衣装、美術が素晴らしい。カメラは終始、豪華な宮廷と王族や貴族たちの飽食や宴ばかり映しているので、フランスと戦争中で国民が飢えているという事実はあくまでも外の世界のお話、現実味を帯びてこない。宮中で贅の限りを尽くしている王族貴族たちの感覚に陥りそうになる。彼らのアヒルレースやフルーツ投げ遊びがあまりにも滑稽で笑ってしまう。

本作は『七つの会議』に続き、顔芸映画だった。特に、女王のオリヴィア・コールマンと侍女のエマ・ストーンときたら、表情ひとつで禍々しさを演技するのだから、観てるこちらはゾクゾクしてしまう。(オリヴィア・コールマンって実はまだ40代半ばで若いのだ!)レイチェル・ワイズが二人とは対照的な怖さと寂しさを醸し出していて、こちらにも惹きつけられる。

前述の通り、衣装や美術はうっとりするほど豪奢だが、出てくる人間は誰も彼も人の皮に毒を詰めたような人物ばかりなので、可笑しいし怖いし気色悪いしで、なんとも変てこりんな映画だった。こんなダークなコメディ映画を撮ったのは誰なんだ?と思ったら、『ロブスター』の監督だった。なるほど。広角レンズを使ったり、足元からのショットで人物を映したり、画角も独特の世界観でビジュアル面でも楽しめる作品。

2019 day46

1日が速く、1週間が長い。3ヶ月連続で残業時間が超過してしまう為、溜まっている有休を使うことにした。いずれにしても3月末までにあと10日分ほど使い切らないと積み立て(使える機会はまず訪れない)になってしまうので、今月と来月は有休消化月間と勝手に宣言をした。あくまで個人的な有休消化月間ではあるが。

ということで、今日はその第一弾。昨日の残務と今日の必須処理を昼過ぎまでに片付けて、午後半休を取った。まっすぐ帰ろうかと思ったが、映画の時間をチェックするとちょうどいいタイミングで『七つの会議』がやっている。これは今日こそチャンスと職場を出て日比谷に向かった。

今年に入って2本目。劇場での映画鑑賞が2月半ばでたったの2本なんてどうかしている。劇場映画にあまりにも飢えていたようで、以前はいいかげん食傷気味だった上映前予告も目を凝らして観た。予告面白い。面白いなぁ。

さて、本編。能役者、歌舞伎役者、ミュージカル俳優、演劇出身者、落語家、元ミュージシャン、お笑いタレント、いろんなフィールドで活躍している人たちの、麺太め味濃いめ油多めの競演に大興奮。こんな映画があったっていいじゃないか。顔芸のオンパレードもここまでやり尽くせば、ものすごい説得力で観る者は圧倒される。いくつ会議をやったかは覚えちゃいないが、気づけば瞬きすら忘れてどっぷりその世界観に浸かっていた。

こんなにこの映画を堪能したのは、劇場映画に飢えていたからという理由だけじゃない。肉汁が口から溢れるほどよく味の染み込んだ肉厚チャーシューを次から次へと口に放り込まれるような映画体験ができたのは、いかに『七つの会議』が大きなパワーを持った作品かということの証明だ。

そしてシーンの途中途中で何度も唸ったのは、映画の登場人物たち同様、自分も会社員だからだ。こういう奴いる!立場のつらさわかる!隠蔽の規模と種類は違えどあるよね不正な〇〇!とまあ、会社員ならではの共感が、自分からニヤニヤ顔と唸り声を交互に出させていた。

本作の舞台となる企業とは業種が異なるが、あるあるが多くて楽しめた。似たような話は多かれ少なかれどこにでもあるわけで、ハラスメントやらワーク・ライフ・バランスやらコンプライアンスやらがいくら叫ばれようとも、日本企業の根本的な体質は本作で描かれているのに近いんじゃないかと思う。もちろんデフォルメ、塩胡椒薬味多めの味付けだけど、唸りながら笑っちゃう。

2019 day40

昨日早朝、昔世話になった人の訃報が入った。いつどのように亡くなったのかわからぬまま、今日、葬儀に駆けつけた。

N氏はクリスチャンだったので、葬儀は新宿の教会で営まれた。少し遅れて着くと、牧師さんのお話しが始まっていた。壇上には懐かしいN氏の顔写真が飾られていた。白い帽子をかぶってニカッと笑っている。

関係者の感話を聞き、当時のことを思い出した。賛美歌を斉唱し、N氏の魂を想った。しかし、もうあれから十数年会っていない。N氏が死んで、すぐそこに遺体として寝かされているというのが、どうも現実味を帯びてこなかった。

献花に向かい、棺の前に立った。N氏の顔があった。享年76歳だったという。てっきりまだ60代だと思っていた。20年前に初めて会った時と変わらぬ、胆力のありそうな顔だが、目と口は瞑っていた。

急に何かが込み上げてきて、深く長く頭を下げた。長らくご無沙汰してしまった非礼を詫び、最期の挨拶をした。

式が一通り終わると、狭いロビーは参列者たちで溢れかえった。知っている顔のほとんどが10年以上会っていない人たちだ。久しぶり、と声を掛け合い故人を偲ぶ。もちろん中には名前が思い出せない人もいた。相手もまだこちらに気づいていないので、必死に思い出そうとするが出てこない。他の人に聞いてようやくわかる、そんな旧交の温め方をした。

みんなと出会ってから20年。当時尖っていた若者たちも皆それぞれ歳を取る。でも話せば当時の呼び名で呼ばれるし、話し方も変わらない。同じ釜の飯を食った仲間が、N氏の葬儀を機に再会した。いや、恐らく自分が一番疎遠だっただろう。郷愁を感じながら、教会を後にした。

雪が降る大久保界隈を歩きながら、昔のことを思い出していた。N氏に出会った当時、人生で初めて道に迷っていた時期だった。若者ならではの情熱だけで生きていた。周りもそうだった。そんな連中をN氏は真正面から受け止め、こちらを上回る情熱でまとめ上げていた。そしてその生き方は死ぬまで続いていた。

N氏は快活な人で、よく笑い、熱く語り、面倒見がよく、時にはめちゃくちゃで周囲を困らせ、そして多くの人から愛されていた。N氏や仲間たちと過ごしたあの時間は、間違いなく今の自分の礎になっている。その後進んだ道は違えど、N氏の魂の一部は自分にそっと寄り添っている。

1月下旬にインフルエンザに罹り、2月3日には教会に顔を出したらしいが、いつもの元気はなかったらしい。直接の死因は聞かされていないが、その日、板橋の自宅でひとり、息を引き取ったとのこと。

N氏、2019年2月3日永眠。享年76歳。

またいつか、村さ来でビールを呑みましょう。アーメン。

2019 day34

昨晩は仕事帰りに美容室に行った。20年来の付き合いのオーナーにカットしてもらい、そのまま店内で一緒に飲んだ。照明を落としていつもとは雰囲気の異なる店内で、仕事のこと、プライベートのこと、お互いのあれやこれやを話した。

妻から、風邪を引いて熱があり実家にいるというLINEが来た。今日はそのまま泊まるというので、帰りの時間は気にせず、結局酒盛りは3時間くらい続いた。最後は二人でラーメンを食べて帰った。

家に帰る途中、鼻と喉の奥に嫌な感じがあった。これはもしや?と思っていたが、今朝起きて完璧に風邪を引いたと確信した。具合が悪い。

それでも今日は映画を観ると決めていたので、朝から映画館に向かった。『クリードⅡ』を鑑賞。実に二ヶ月ぶりの映画鑑賞だ。アドニスとヴィクターのコントラストが実に巧くわかりやすく描かれていて、安心して観られた。ラスト10分は涙を流し、今年の映画初めは無事に終わった。

ああ、映画っていいな。この二ヶ月間、見逃した映画は数知れず。テルマ寝ても覚めても、ステータス・アップデート、サーチ、エンジェル見えない恋人、暁に祈れ、アリー、等々……。そのうち配信されるだろうが、映画館で観たかったんだよ、と悔やむ。でも、しょうがない。時間が取れなかったのだから。

風邪薬と養命酒を買って帰った。明日は仕事を休んで映画館に入り浸っていたいよ、というわがままを誰ともなしに呟いてみる。

2019 day33

結局、休日出勤してしまった。いや、せざるを得なかった。あの状況を週末出勤者だけに任せるわけにはいかなかった。案の定、客先の担当者たちもぞろぞろ来ていたので、自分がいてよかった。

来週は無理でも再来週あたりには代休ではなく有休を取ろう。

今日はいい天気だった。子供と遊びたかったな。

2019 day32

大混乱は想定通り。予期していた人的ミスや不具合もある程度は当たった。だがそれを上回るありえない角度からの伝達不備や変更事項に、今日も今日とて怒り心頭。

仕事ってそういうもんじゃないでしょ。仕事の回し方を知らない連中に泡を食うこちらの身にもなってほしい。

そんな状況下でも、うちの連中は最善を尽くしてくれた。彼ら彼女らには感謝したい。

しかしこれもまだまだ序盤。明日以降、さらなる展開が待ち受けていることは確かだし、今回の改悪に対して戦っていかなければならない。

あ、アジアカップ勝戦が始まる……。