2019 day100

板ばさみ。

2月から担当する客先が二社に増えた。それぞれの担当者からは当然これまで通りの高い実績を求められる。

にもかかわらず、全体的な売上は、発注を減らされ単価を削られ、前年度の30%減。しかし、今年度下期のセレクションに向けて実績を落とすわけにもいかず、その結果として原価がかさみ利益が出ない。

板ばさみ。

無論、会社からは利益を出せと詰められ、現場の残業抑止は至上命令としてトップダウンで詰められる。

現場は現場で一生懸命で、よく頑張ってくれている。頑張ってくれてはいるが、頭の回転が速い人やフットワークの軽い人は少なく、不器用な人や自身の役割に対しての責任感が薄い人や視野狭窄になりがちな人が多いので、なかなか物事がスムーズに進まない。主要メンバーたちも運用の整備や客先対応に追われ、本来の仕事ができなくなってきている。

主要メンバーには運営の課題や案件の分析を割り振っているが、最近の彼らがそんな状態なので、以前に比べ動きが鈍くなった。鈍くなったというより手が足りなくなった。その為、自分が現場の運用にタッチする機会が増えた。

管理者の業務量が増え、1つ下のレイヤーの仕事もこなし、それでなんとか成果物は形にできているが、いかんせん今のままでは採算が取れないので何かやりくりしないといけない。

そんな現場の状況をよく知らない本社の上司が、自分にだけならまだしも、自分の部下たちにも直接、収支改善と残業抑止のメールを出してしまうものだから、反発が起きた。収支改善は当たり前のことだが、上司の伝え方がうまくないので、現場の人間の反感を買うだけで、それ以外のものは何も生まない。その怒りを吸収しつつ、でもこういう状況だから今までとは違う工夫をしていかないといけないんだよ、一緒に考えて欲しい、と彼らをなだめる。賢い彼らだからやるべきことはやってくれるが、それでもまだゴールが見えてこない。

板ばさみ。

ゴールが見えてこないことの要因のひとつは、会社の営業が下手ということ。もうひとつは、客先が落としてくる案件の多くがデタラメだということ。そのデタラメに対して真面目に仕事しちゃうメンバーもいて埒があかない。主要メンバーの彼らがいちいち論拠立てて突き返してくれてはいるが、手に負えない(または抱えきれない)ことも増え、結局自分が出張っていく。そんなことの繰り返しで業務量は前年度に比べ倍以上になっている。給料は変わらない。

板ばさみ。

家に帰ると2歳の子供のトイレの躾で妻は怒鳴り子供は泣き叫んでいる。

板ばさみ。

板わさ食べたい。熱燗で。