2019 day109

仕事を無理やり終わらせて今期異動してきた上司の歓迎会に参加し、ビールから始まり紹興酒をたらふく呑み、最後はレモンサワーですっきりさせてからの帰り道は満員電車。

ふと前に立っている男性の後ろ姿、肩のあたりにフケが粉雪のように散らばっているのが目に入った。後頭部に視線を移すと頭髪の隙間にフケがさざめいている。その右隣に立っている女性を見ると同じくフケが襟元を飾りつけている。さらに右隣の男性を恐る恐る見てみると、やはりというべきか、側頭部にフケがちらほら。

これすごい確率でキテるなぁ、あとは左側の男性もキマッテいれば、自分の視界の中はビンゴだ。

来い!と気合を入れて左に首を回した。

がっかり。

白髪まじりのごま塩頭で、フケの存在が確認できない。あーあ、リーチかかってたのになぁ。

なんだろうこのくだらないゲーム。皆さん疲れてるんだよ。フケぐらい出るよ。おまえも気をつけろよ。

そんな脳内独り語り。

2019 day100

板ばさみ。

2月から担当する客先が二社に増えた。それぞれの担当者からは当然これまで通りの高い実績を求められる。

にもかかわらず、全体的な売上は、発注を減らされ単価を削られ、前年度の30%減。しかし、今年度下期のセレクションに向けて実績を落とすわけにもいかず、その結果として原価がかさみ利益が出ない。

板ばさみ。

無論、会社からは利益を出せと詰められ、現場の残業抑止は至上命令としてトップダウンで詰められる。

現場は現場で一生懸命で、よく頑張ってくれている。頑張ってくれてはいるが、頭の回転が速い人やフットワークの軽い人は少なく、不器用な人や自身の役割に対しての責任感が薄い人や視野狭窄になりがちな人が多いので、なかなか物事がスムーズに進まない。主要メンバーたちも運用の整備や客先対応に追われ、本来の仕事ができなくなってきている。

主要メンバーには運営の課題や案件の分析を割り振っているが、最近の彼らがそんな状態なので、以前に比べ動きが鈍くなった。鈍くなったというより手が足りなくなった。その為、自分が現場の運用にタッチする機会が増えた。

管理者の業務量が増え、1つ下のレイヤーの仕事もこなし、それでなんとか成果物は形にできているが、いかんせん今のままでは採算が取れないので何かやりくりしないといけない。

そんな現場の状況をよく知らない本社の上司が、自分にだけならまだしも、自分の部下たちにも直接、収支改善と残業抑止のメールを出してしまうものだから、反発が起きた。収支改善は当たり前のことだが、上司の伝え方がうまくないので、現場の人間の反感を買うだけで、それ以外のものは何も生まない。その怒りを吸収しつつ、でもこういう状況だから今までとは違う工夫をしていかないといけないんだよ、一緒に考えて欲しい、と彼らをなだめる。賢い彼らだからやるべきことはやってくれるが、それでもまだゴールが見えてこない。

板ばさみ。

ゴールが見えてこないことの要因のひとつは、会社の営業が下手ということ。もうひとつは、客先が落としてくる案件の多くがデタラメだということ。そのデタラメに対して真面目に仕事しちゃうメンバーもいて埒があかない。主要メンバーの彼らがいちいち論拠立てて突き返してくれてはいるが、手に負えない(または抱えきれない)ことも増え、結局自分が出張っていく。そんなことの繰り返しで業務量は前年度に比べ倍以上になっている。給料は変わらない。

板ばさみ。

家に帰ると2歳の子供のトイレの躾で妻は怒鳴り子供は泣き叫んでいる。

板ばさみ。

板わさ食べたい。熱燗で。

2019 day99

朝は鼻がむず痒くて起きる。こよりでずっとくすぐられてるようで、いくら鼻をかいてもつまんでも治らない。で、目が覚める。花粉症の季節は。

昨日の雨で週末あれだけ見事だった桜はだいぶ散ってしまった。ピカピカの一年生は入学式だったようで、すんでのところで葉桜になってしまい可哀想に。

4月になると新入生や新社会人で交通網が混む。毎年人が増える一方で、いったい首都圏の人口はどうなっているのだろう。リタイヤするシニア世代も再雇用があるから、通勤通学の時間帯は人が減らない。人口減少を実感するのはまだまだ先のようだ。

今朝は通勤電車で左足を二度踏まれた。それぞれ別々の中年男だった。だいぶ思い切り踏まれたのだが、相手は謝るそぶりはおろか目も合わせない。帰りの電車でも降り口で割り込まれた上に左足を踏まれた。イヤホンを耳に挿したシニア世代の男だが、これも完全にこちらの存在を無視。無神経な人が多いのでイラつくし悲しくなる。

最近始めた加熱式たばこ。職場の喫煙所で吸おうと思ったら、充電切れで加熱せず。非加熱タバコはいくら吸っても何も吸引できないので、仕方ないから紙巻きたばこを買った。加熱式たばこも悪くないが、紙巻きはうまい。

今日の出来事。

2019 day98

電車の車内広告。天井から吊るされてるやつは中吊り。この名称はよく知ってるけど、荷物を置く棚の上にある広告は何というのだろう?

調べてみると、窓上ポスターというらしい。へえ。ひねりがなくてつまらない。中吊りほどのヒキがない。まぁいいか。

その窓上ポスターにディズニー絵画展か何かの広告が載っていた。描かれているのは昔のミッキーやミニー。白黒時代のミッキーなと、レトロな雰囲気のものが多い。アリエルもいる。

それを見て思ったこと。全部妖怪に見える。ミッキーやミニーは鼠の妖怪。ねずみ男みたいなもんだ。アリエルなんて人魚だから、まんま妖怪。こんなこと言ってたらディズニーファンからは怒られるだろうけど、一度そう思うともう止まらない。ディズニーランドは妖怪ランド。よくよく思い出してみると、ディズニーは物の怪の話しかない。

そういえば、もう何年も前になるが、ディズニーキャラクター達を異世界のリアルな人間として描いた小説を書いた。『不思議の国のアリス』をオマージュにして、異世界に迷い込んでしまった少女が、ディズニーキャラクターに似ている俗物な人たちと知り合い、嫌な目にたくさん遭って、少し大人になるという話。ああ、あの原稿どこにいっただろう。体裁はファンタジー感を出して可愛らしくしているが、内容はドロドロしていてあまり救いようのない展開だったと思う。

うーん、やはり妖怪にしか見えない。

 

2019 day97

疲れがたまると、わかりやすいくらい身体に出る。急性副鼻腔炎になったり、風邪を引いたり、皮膚が荒れたり、肝臓が痛くなったり。ストレスがたまると暴飲はないが暴食気味になり、さらに金遣いが荒くなるのでタチが悪い。

3月から4月にかけて、一気に気温が上昇し、その後何度か寒の戻りがあったおかげで、今年の桜は長持ちしている。昨日は近所の川沿いの桜並木を歩いた。満開の桜を愛でて、心が晴れた。肝臓の痛みも和らいだ。

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地元の人しかいないので、混雑もなくのんびりと歩けた。しばらく散歩した後は、お昼ご飯に韓国料理を食べて、ショッピングモールで買い物をし、なんだかんだで夕方に帰った。

今日は春眠暁を覚えず。遅い朝ご飯を取った後、寝室に戻りラジオを聴きながら昼寝。妻と息子もやってきて、一緒に昼寝。何にもしないまま夕方になった。

何もしない週末。騒がしい世間から離れた週末。行き詰まった仕事から離れた週末。週末、もう少し延びないかな。

2019 day90

おぼっちゃまくん』という漫画の茶魔とそのお父さんとのじゃれあいを思い出す。愛情表現としてお互いに舌を出してベロベロする。昔はそれを見て気持ち悪いと思っていた。

しかし、最近2歳の息子がそれをやるようになった。妻に訊くと勝手にやり始めたと言っていたが、それは嘘で、実は妻が仕込んでいたことが後に発覚。こっちが舌をベーッと出すと、息子は「うぇ〜い」と叫びながらベロベロしてくる。気持ち悪い、とはまったく思わない。楽しいので何度も舌を出してしまう。

さっき、妻の手鏡を割ってしまった息子が妻に怒られていた。ヘラヘラしているので、自分も怒った。危ないでしょ!ケガしたらどうするの!と叱った。顔はニヤニヤしながらも、息子の瞳には徐々に涙が浮かんできた。

「パパ」と小さな声でつぶやき、顔を近づけてくる。許して欲しいのだろう。その手には乗らないぞ、ともう一度ダメでしょと言おうとした瞬間、息子がチュッとしてきた。脱力してしまった。もう怒れない。そんなことされたら、パパはもう怒れないよ、茶魔。

2019 day81

有休を取ったけど、朝はいつも通りに起きて洗面所へ行き顔を洗う。ニュースをチラ見しながら花粉症の薬を飲んで寝室に戻る。布団の上でゴロゴロしているうちに妻が目を覚ました。

今日はなんとなく成田山へ行ってみようということになった。気温も上がり天気もいいのでどこか外に出かけたい。自分と息子は成田山に行ったことがなかったし、今日は都心よりもちょっと田舎の空気のほうがよかったので、電車に揺られて成田へ。

着いてすぐソフトクリームとジェラートを食べて、参道を登って行った。この辺は鰻が名産で、鰻屋が数多く立ち並んでいる。昼時を少し過ぎていたが、店の前にはまだ行列ができていた。平日なのにたいしたものだ。

さらに参道を進み、さすがに腹がすいた。妻に鰻を昼食にしようと提案したが、息子がまだ食べられないと難色を示された。とはいっても実は妻も鰻を食べたい。そこで、別の店で息子の腹を先に満たしてしまうことにした。

ちょうどよく、おむすび屋があったので、鮭と焼きおにぎりを頼んだ。できたてのおむすびを店内で息子に食わせた。両親も一口ずつもらう。鮭。うまい。多古米という地産の米を使っているらしい。焼きおにぎりもちょっともらう。こちらはオカカがまぶされている。熱々で、こちらもうまい。素朴なうまさがある。

さて、息子がおむすびを食べ終わったので、おむすび屋を出て本命の鰻屋へ向かった。どの店に入ろうか。店がいくつもあるので迷ってしまう。一番最初に気になっていた店は山門近くの駿河屋。参道を下っていくと、行きに見かけた店前の行列は消えていた。暖簾をくぐるとすぐに席に通された。お子様連れは二階の座敷らしい。

座敷には子連れ家族が二組いた。こうやって席を分けてもらうと、気兼ねなく居られるのでありがたい。息子が多少騒いでも安心だ。

手前の席に座り、厚焼き玉子、ビール、うな重を注文した。先にビールと玉子が運ばれてきた。妻と乾杯をしようとしたら、息子も水の入ったグラスを手に取り重ねてきた。妻が乾杯を仕込んでいたらしい。3人で何度か乾杯してから玉子を食べ始めた。甘さがほどよくぷるんとしている。息子もうまそうに食べている。

そしていよいような重の登場。鰻はいつぶりだろう。半年、一年くらいかなぁ。妻はたぶん三年以上経っているはずだ。

お重にびっちり鰻が寝ている。山椒をかけて、さっそく一口。アツっ、ふくふく、ジュワ〜。うまい。身がふっくらしていて、タレは控えめなので鰻そのものの甘さが口の中に広がる。ひっかかる小骨もないし、身も肉厚で、どんどん箸が進む。息子も妻から一切れもらって、初めはその見た目に怪訝な顔をしていたが、口にするともぐもぐ食べていた。

うまいなぁ。鰻ってうまいなぁ。昨年末くらいから、ずっと鰻が食べたかったのだ。ここの鰻、うまいなぁ。生ビールもうまいし、肝吸いもうまいなぁ。

お重の中がきれいになった。期待以上にうまかった鰻に満足し、たっぷりと満たされた腹をさすりながら箸を置いた。妻もぱくぱく食べて、うな重を完食した。本当は途中でお腹いっぱいになっていたらしいが、どうしても食べたくって最後のほうは無理して食べていたらしい。意地汚い。無理せず残して、あとはこっちにくれればいいのに。別にまだ食べようと思えば食べられたよ、こっちは。

駿河屋を出たあとは、歩きたくなくて抱っこをせがむ息子を抱えながらお参りをして、息子の重さに肩がもげそうだなと思いながら駅に向かった。鰻のパワーで駅までたどり着き、鰻のパワーで電車の中では息子を抱えながらぐっすり眠った。