2019 day298

この1週間の備忘録。

 

土曜日

3歳の息子の幼稚園をどうするかで妻と口論になる。言葉が遅れている息子にはハードルがあり、たいていのところでは落とされる可能性が高い。プレに通っている人が優先だし、言葉が遅れているし、妻は幼稚園の情報をネットでいろいろ調べ、電話で問い合わせ、息子を連れて見学に行ったりしていた。それでだいぶ疲れてしまい、不安な気持ちも高まって、八つ当たりのようにこちらを責めてくる。

どの幼稚園に入れればいいのかわからないと騒ぎ出したので、考えを整理しようと、費用・規模・距離・延長保育の有無・問い合わせ時の対応・人から聞いた話など、カテゴリーごとに比較してロジカルに会話を進めようと試みる自分。妻が求めていることを是非の判断として一つずつ選択していくと、「そんなことはわかってる」「じゃあ、◯◯ちゃんが怪我しても平気なわけ?」「でも遠いから雨の日は無理」と"ああいえばこういう"状態。いい加減に腹を立て「なんでもかんでも全部取りはできないんだよ!」とブチギレる自分。

妻はキッチン、自分は二階への階段の中腹に座って、口論となった。

そんな中、息子が階段を上って自分の隣にちょこんと座り、頬杖をついてこちらの顔を見上げてきた。言葉は発さないが、まるで「なんかおっかないけど、ふたりともどうしたの?ぼくがそうだんにのろっか?」とでも言っているようだったので可笑しくなってきた。「お前の話でもめてるんだよ」息子の頭を撫でながらそう囁いた。

 

日曜日

昼間、髪を切りに原宿に行った。ラグビーW杯のサウス・アフリカ戦を夜に控えていたので、山手線車内はユニフォームを着た外国人が何人もいた。日曜日の原宿はこれでもかと人でごった返しており、美容室にたどり着くまで大した距離もないのに疲れてしまった。20年来の付き合いの美容師さんとはいつものように、お互いの子供の話や最近の映画の話をした。そして切り終わった後はいつものように店の裏に行き、ふたりで一服した。

いったん家に帰って休憩し、夜は秋葉原に向かった。これまた20年来の親友二人と数年ぶりに飲む約束をしていたのだ。お互いの近況を伝えあい、昔話に花が咲き、現在進行形の身の回りの話や時事ネタを話しているときには、すっかり20年前のあの頃と同じ感覚になっていた。というか、三人とも外見はほとんど変わらないし(皆それぞれ腹が出たとは言うが、それでもいたってスリムで、特に親友の二人はもともと痩せてるし今も痩せてるし、顔立ちも若いまんま)、発言内容や言葉のセンスもまったく変わっていない。それがどうにも嬉しくて、ニヤニヤしながらワインを飲んだ。

 

月曜日

結局4時間かけてビールとワインを2本空けた次の日とあって、少々二日酔い気味だった。声もかすれて、職場では風邪と間違えられた。「明日は祝日だ…」という気持ちだけでなんとか乗り切った。いつも通り、昼飯に行く時間を見つけられないまま定時を過ぎて、体力の限界を感じ早めに帰宅した。

 

火曜日

即位礼正殿の儀の行われる日。外はあいにくの雨模様。時間になるとテレビの前に正座し、天皇陛下のお出ましを待った。…待った。…まだ待った。…そして寝落ちした。妻が「出てきたよ!」と正座したまま頭を沈めている自分を起こしてくれた。テレビには雅子様の御姿が映し出されていた。素敵な御姿だった。そして、天皇陛下。お二人とも雛人形のようで、一般人には無い神々しさを感じた。それは秋篠宮家の皆様も同じで、なんとも美しかった。

天皇陛下が御姿を現された際に、リビングの窓から光が差し込んできたので、窓を開けて外を見たら、雨は止み、雲の隙間からうっすらと青空が顔をのぞかせていた。

「すごい!天皇パワーだ!」「やっぱり普通の人とは違うんだね!」と妻とふたりではしゃいだ。

午後はそれ以降雨が止んだので、家族で近所のショッピングモールに出かけた。必要なものの買い出しの後、息子が必ず行きたがるトイザらスに寄った。息子がブロックや恐竜のおもちゃコーナーにいる間に、一足早くリュウソウジャーのコーナーに向かった。ピーたんという新しい変身ロボが気になっていたのだ。ピーたんは丸っこいゆるキャラからプテラノドンの姿に変形し、さらに人型ロボットに変形する。すごい。欲しい。息子を呼んできてピーたんで遊ばせた。気に入ったようでずっといじっている。年上の男の子に取られた後もずっと見ている。今度買ってあげよう。自分も遊びたいし。

 

水曜日

その日は会議が多く、朝一の社内会議、午前のA社との定例会、午後のB社との定例会に加え、午後の週一の会議、さらに夕方に緊急招集がかかり、計4本の会議をこなした。会議が多過ぎてうんざりする。全然昼飯が食えない。働き方改革という言葉が名ばかりで虚しい。デスクに戻るとメールが100件近く溜まっていた。

 

木曜日

なんだかんだで22時まで仕事していた。36協定に厳しい我が社は、どのような状況であれ残業に物凄い目くじらを立てる。うちの事業所はどう逆立ちしても社員は残業せざるを得ない構造になってしまっているのだが、そこを会社は理解してくれない、というか許容してくれない。

自分の部下は自己管理が苦手な人たちが数名いて、ほっとくと勝手に45時間を超えてくる。仕事に熱心なのはありがたいが、何度説明しても会社の規定を理解できていないのは困りものだ。事前相談も事後報告すらもない。ズレているのだ。そんなんじゃ彼らのことを会社から守れない。ということすらわかってくれていないのが悲しい。そんな彼らの対処をしていたら(それだけじゃないが)、自分が残業してしまった。帰り際、45時間を超えている部下から「くたびれてますね」と言われ、「くたびれてるよ!」「うわ、まさかの逆ギレ(笑)」「わはははは」という会話は半分本気。

 

金曜日

今日は息子の幼稚園の面接日。有休を取って支度をする。妻の準備が悪く、不機嫌にさせられる。幼稚園は家から徒歩30分の距離。駅からバスに乗る予定だったが、外は土砂降りでおまけに風が強い。まるでこの前の台風だ。タクシーを呼ぼうと電話するがつながらず、仕方なく傘をさして息子を抱きかかえ歩いていくことに。やはり車が必要だ。

途中で通りがかったタクシーに乗り込んだが、スラックスは太ももまでびしょびしょで、肌に張りついていた。妻は隣で寒い寒いと繰り返す。

面接は最初は子どもだけ、次に親子一緒の二段階制だった。先生からの「この人だぁれ?」という質問に、恥ずかしがって顔をそむけていたが、こちらの顔を見て指さし、小さな声で「パパ」と言ったのを自分は聞き逃さなかった。よくできました。それだけで100点をあげたい。

結果は夕方に幼稚園のホームページで発表された。息子の受験番号は見つからなかった。ショックを受けてしょぼくれる妻。定員数も多いからいけるんじゃないかと踏んでいた自分も少し落ち込んだ。昨晩は遅くまで夫婦でシミュレーションをして、大雨にも負けずあんなにびしょ濡れになって行ったのに、落ちた。やはりショックだ。幼稚園の義務化求ム。

そんなことはつゆ知らずニコニコしている息子。幼稚園でもらったお菓子を自らパパにも分けてくれる優しい子。君は100点だ。