名曲

真っ赤なアンプを何台か数珠繋ぎにして、ギターを手に歌を作っていた。そんなに苦労することなく一曲仕上がった。いい曲ほど、割と時間がかからずにスルスルと出来上がるものだ。

一節歌ってみたら、これはいけると確信した。メロディと併せて詞も自然と浮かんできた。詞先でも曲先でもなく、ほとんど同時進行で歌が完成していく。メロディとコード進行は身体で覚え、詞はノートに書き出して忘れないようにしておく。

仕上がったところで一曲通して歌ってみた。少しノスタルジックで寂寞感のある曲調と詞の世界。これは名曲の予感。自分の知っている既成の歌で似ているものは思いつかないが、世界観が似ているものを強いて挙げるとすれば、THE BEATLESの『In My Life』とGeneの『London, Can You Wait』を足して2で割り何かを掛けたような感じだ。



という夢を見た。目が覚めた今では詞も曲も覚えていない。ただ、Aメロのコード進行だけは覚えていて、確かA⇨E⇨Bm⇨Dのはずだ。嗚呼、なんてありがちなコード進行なんだ。

夢に見た名曲をそのまま再現できたポール・マッカートニーは天才だ。天才の真似は逆立ちしてもできない。