2019 day81

有休を取ったけど、朝はいつも通りに起きて洗面所へ行き顔を洗う。ニュースをチラ見しながら花粉症の薬を飲んで寝室に戻る。布団の上でゴロゴロしているうちに妻が目を覚ました。

今日はなんとなく成田山へ行ってみようということになった。気温も上がり天気もいいのでどこか外に出かけたい。自分と息子は成田山に行ったことがなかったし、今日は都心よりもちょっと田舎の空気のほうがよかったので、電車に揺られて成田へ。

着いてすぐソフトクリームとジェラートを食べて、参道を登って行った。この辺は鰻が名産で、鰻屋が数多く立ち並んでいる。昼時を少し過ぎていたが、店の前にはまだ行列ができていた。平日なのにたいしたものだ。

さらに参道を進み、さすがに腹がすいた。妻に鰻を昼食にしようと提案したが、息子がまだ食べられないと難色を示された。とはいっても実は妻も鰻を食べたい。そこで、別の店で息子の腹を先に満たしてしまうことにした。

ちょうどよく、おむすび屋があったので、鮭と焼きおにぎりを頼んだ。できたてのおむすびを店内で息子に食わせた。両親も一口ずつもらう。鮭。うまい。多古米という地産の米を使っているらしい。焼きおにぎりもちょっともらう。こちらはオカカがまぶされている。熱々で、こちらもうまい。素朴なうまさがある。

さて、息子がおむすびを食べ終わったので、おむすび屋を出て本命の鰻屋へ向かった。どの店に入ろうか。店がいくつもあるので迷ってしまう。一番最初に気になっていた店は山門近くの駿河屋。参道を下っていくと、行きに見かけた店前の行列は消えていた。暖簾をくぐるとすぐに席に通された。お子様連れは二階の座敷らしい。

座敷には子連れ家族が二組いた。こうやって席を分けてもらうと、気兼ねなく居られるのでありがたい。息子が多少騒いでも安心だ。

手前の席に座り、厚焼き玉子、ビール、うな重を注文した。先にビールと玉子が運ばれてきた。妻と乾杯をしようとしたら、息子も水の入ったグラスを手に取り重ねてきた。妻が乾杯を仕込んでいたらしい。3人で何度か乾杯してから玉子を食べ始めた。甘さがほどよくぷるんとしている。息子もうまそうに食べている。

そしていよいような重の登場。鰻はいつぶりだろう。半年、一年くらいかなぁ。妻はたぶん三年以上経っているはずだ。

お重にびっちり鰻が寝ている。山椒をかけて、さっそく一口。アツっ、ふくふく、ジュワ〜。うまい。身がふっくらしていて、タレは控えめなので鰻そのものの甘さが口の中に広がる。ひっかかる小骨もないし、身も肉厚で、どんどん箸が進む。息子も妻から一切れもらって、初めはその見た目に怪訝な顔をしていたが、口にするともぐもぐ食べていた。

うまいなぁ。鰻ってうまいなぁ。昨年末くらいから、ずっと鰻が食べたかったのだ。ここの鰻、うまいなぁ。生ビールもうまいし、肝吸いもうまいなぁ。

お重の中がきれいになった。期待以上にうまかった鰻に満足し、たっぷりと満たされた腹をさすりながら箸を置いた。妻もぱくぱく食べて、うな重を完食した。本当は途中でお腹いっぱいになっていたらしいが、どうしても食べたくって最後のほうは無理して食べていたらしい。意地汚い。無理せず残して、あとはこっちにくれればいいのに。別にまだ食べようと思えば食べられたよ、こっちは。

駿河屋を出たあとは、歩きたくなくて抱っこをせがむ息子を抱えながらお参りをして、息子の重さに肩がもげそうだなと思いながら駅に向かった。鰻のパワーで駅までたどり着き、鰻のパワーで電車の中では息子を抱えながらぐっすり眠った。