2019 day49

今月はもう残業しない(正確にはできない)と決めたら、今日と明日の仕事の境目をはっきり作ることができた。簡単に言うと、今日中に仕上げなければならないこと以外は翌日に持ち越すという諦めというか潔さ。先週でひと山越えたということもあるが、自分の中で割り切ることができるようになった。大枠をまとめ上げ調整しておけば、あとは配下メンバーに任せておけるという立場だからそれができる。月の後半は割と自分の手が空くということもある。そんなわけで、19時前にはタイムカードを切った。(ちょっと残業しちゃってるじゃないか!?)

スタスタ歩いて電車に乗って、ふと気がつくと映画館の前に立っていた。そのままレイトショーで『女王陛下のお気に入り』を鑑賞。

衣装、美術が素晴らしい。カメラは終始、豪華な宮廷と王族や貴族たちの飽食や宴ばかり映しているので、フランスと戦争中で国民が飢えているという事実はあくまでも外の世界のお話、現実味を帯びてこない。宮中で贅の限りを尽くしている王族貴族たちの感覚に陥りそうになる。彼らのアヒルレースやフルーツ投げ遊びがあまりにも滑稽で笑ってしまう。

本作は『七つの会議』に続き、顔芸映画だった。特に、女王のオリヴィア・コールマンと侍女のエマ・ストーンときたら、表情ひとつで禍々しさを演技するのだから、観てるこちらはゾクゾクしてしまう。(オリヴィア・コールマンって実はまだ40代半ばで若いのだ!)レイチェル・ワイズが二人とは対照的な怖さと寂しさを醸し出していて、こちらにも惹きつけられる。

前述の通り、衣装や美術はうっとりするほど豪奢だが、出てくる人間は誰も彼も人の皮に毒を詰めたような人物ばかりなので、可笑しいし怖いし気色悪いしで、なんとも変てこりんな映画だった。こんなダークなコメディ映画を撮ったのは誰なんだ?と思ったら、『ロブスター』の監督だった。なるほど。広角レンズを使ったり、足元からのショットで人物を映したり、画角も独特の世界観でビジュアル面でも楽しめる作品。