2019 day3
出かける支度を先に済ませた息子と二人で、玄関先に突っ立っていた。正月セールに行きたいと言ったのは妻のほうだけど、当の本人はもう少し準備に時間がかかるらしい。
ふと息子を見るとポストの投入口に手を突っ込んで遊んでいる。ポストの蓋がカチャンカチャンと繰り返し鳴り続ける。
家の壁と隣家のブロック塀の間からこぼれてくる陽だまりに誘われて、息子のことは玄関に置き去りに、そのまま名ばかりの裏庭のほうへ回り込んだ。全然使っていない借家の裏庭は、久しぶりに外側から見るとほんの少しだけ新鮮だった。
すると、目に留まるものがあった。雑草と室外機と外壁の他には何もないこの裏庭風景に、一点だけ、溶け込むようにそっとそこにあるもの。
あのオモチャどこに行ったんだろうシリーズのうちの一つ。バス。ちょっと馴染んでる。