神様なんかくそくらえ

上映終了期間ぎりぎりで鑑賞できた。

冒頭から最後までヒリヒリする。痛い。心と体の痛みが伝わってくる。ドキュメンタリータッチな演出がよりリアルに痛みを伝える。ロングショットを多用した撮影と、本物のストリートキッズを俳優に起用したキャスティングが、実話を基に脚色されたストーリーに生を吹き込んでいた。

冨田勲のエレクトロな音楽が、ドラッグに溺れたストリートキッズの世界を表現するのに一役も二役も買っている。一見理解不能な彼らの生き様が、鑑賞後に反芻するたび、冨田勲の音楽とともに深く胸に染み込んできて、味わい深くなる。

ニューヨークでは、10代〜20代のホームレスが大勢いる。この現実に正直驚いた。彼らは自ら社会からドロップアウトしたわけだが、その背景にあるのはドラッグ依存症。改めてドラッグの恐ろしさを教えられた。彼らなりのコミュニティーを形成し、自分たちの社会で生きているように見えるが、実際にはそれぞれが自分勝手な世界で生きていて、そして孤独だ。昔で言えばヒッピーということになるのだろうか。彼らは明日を考えず、過去にも縛られず、かと言って今を生きているわけでもない。夢現の中をさまよい続けている。

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