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浸食

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以前は、歌舞伎町はこの辺りまでくればいかがわしい空気がぷんぷんしていたものだ。しかし、ゴジラが見下ろす今となっては、ちょっとしたアミューズメントパークさながら健康的なカップルや退屈そうな若者たちの往来に、本来の姿であるこの雨のようなジメッとした妖しさが鳴りを潜めてしまっている。

TOHOシネマズの並びにはK.K.ドーナツが、目の前にある18禁の看板とはミスマッチに佇んでいた。

歌舞伎町に初めて足を踏み入れた17年前のドキドキは、この風景からはほど遠く、思い出が思い出として風化していくのを実感する。

金欲と肉欲が大量消費されるこの街で、ドーナツを頬張る子たちの顔はあまりにも無邪気だ。

上映開始までまだ時間がある。コーヒーをお代わりせずにはいられない。