2019 day161

先週末、土曜日はとても楽しかった。

午前中は幼稚園のプレがあって、お父さん参観の日だったから3歳の息子と一緒に幼稚園へ。出かけ間際、リビングのドアに指を挟んで大泣きしてからは機嫌が悪く、幼稚園に着いてからも大泣き。園庭の遊具で遊びたがり、無理やり玄関まで連れて行くと床に大の字になって暴れて泣きまくる。仕方ないから園庭に連れて行き、すべり台で少し遊ばせようとしたが、時すでに遅し。帰りたいの一点張りで、パパのズボンをつかみ校門の外まで引っ張って行く。戻そうとするとダダをこねるし、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだし、先生たちがやってきてあやしてもダメだし。最後は園長先生に促されママを電話で呼び出した。ママが来るまでの間、もう1組泣いて中に入らない親子がいて、そのお父さんと「大変ですね」と慰めあった。

ママが来て、その日のプログラムにはほとんど参加できないまま、園庭で少し遊ばせてから帰った。

「どこかお出かけしたいね」

妻がそう言うので、せっかくだから車を出そうと思い、いつも使っているカーシェアの貸出状況をiPhoneで調べてみると、前から乗ってみたかったスバルXVが空いていた。さっそく予約を入れて車を取りに行く。いざ乗ってみると、大きさも運転感覚もスバルインプレッサと大して変わらず、そこは期待はずれ。でもこうやっていろんな車に乗れるところがカーシェアのいいところだ。イメージだけだとわからないもの。

2人を迎えに行って、昼飯の時間もとうに過ぎていたので、ロイホに行った。自分も妻もロイホが大好き。ボストンフェアでオマール海老の料理のラインアップがあり、それを注文。妻と2人で分ける。あとはハンバーグとカレー、息子はパンケーキを頼み、全員お腹いっぱい。

食後は腹ごなしに身体を動かして遊ぼうと、浦安の総合公園に向かった。友人が近所に住んでいることからその公園の存在を知って、今回が初めての訪問。すべり台などのアスレチック遊具で遊び、そのあと公園の奥に行くと、広い草っ原が広がっていた。すぐそこに東京湾が望めて、潮風が心地よい。芝生の上を息子が足の裏で草の感触を楽しみながら歩いて行く。風が吹き、息子の栗毛を撫でていくと、彼は天を仰ぎ口を開いた。まるで風と話しているように戯れている息子の姿を二、三歩離れたところから見つめていた。なんて素敵な子なんだろう。なんて素敵な瞬間なんだろう。

17時くらいまで公園で遊んで、近所だからこのままノリで行っちゃおうと、車でディズニーリゾートへ。今日はディズニーシーでもいいよ、とランド好きの妻が言った。息子はシーが初めて。写真を撮ったり、乗り物に乗ったり、おみやげ屋さんを見たり。20時からはファンタズミック!を鑑賞。パパに抱きかかえられた息子は真剣な表情でショーを凝視し、花火など派手な演出の時はパパのほうを見てニコニコ。「スゴイね」とでも言いたいのだろう。まだ言葉は出ないが、彼の気持ちが伝わってくる。

ファンタズミック!が終わってから夕飯を食べ、閉園時間とともに帰路へついた。息子は車に乗って3分もしないうちに寝てしまった。帰りの車では、妻と何気ない話で穏やかな時を過ごした。

翌日の日曜日は、みんな疲れていたようで、ほとんど寝ていた。朝食を食べて、自分が先に寝落ちして、途中で妻に起こされて少しテレビを観て、それから3人で寝室へ行き、昼寝。何にもしない一日。それもそれで幸せだった。もったいない気もするが、そんな休日があってもいい。家族で一緒に過ごす時間は、何をしていても幸せだ。

2019 day157

day149で書きなぐった件について、今日、決着がついた。いろいろな思いが交錯して、言葉がうまく出てこない。でも、まあ、バカヤロウだ。残念でしかない。

だが、まだこれで終わったわけではなく、この後の処理や第2段階の対応がある。なかなか体力を使うな。疲れたな。

社内の別件の対応もある。このことに関しては会社のあの人に怒っているし、ちゃんと言わなきゃならない。部下には、しっかりと自分が会社と戦っている姿勢を見せる必要もあるし。

あとは客先との交渉も難航しているし、一方で過度な要求にはある程度答えながらも限界はあるので、結果詰められる。うちの会社もまだハッキリとは判断を下さないので、現場はのらりくらりとやり過ごし堪えるしかない。

来週は月次の報告会があっちとこっちであるし、営業が躍起になっている別の打ち合わせもあるし、スタッフの契約更新もあるし、人員補充やチーム異動の準備もあるし、その間も客先からはいろいろ要求が出てくるだろうからその対応と社内調整が必要になるだろうし、定時では帰れなさそうだな。

映画館に行きたいな。

わたし、定時で帰ります……って、言いたいな。いや、別に言えるんだけど、ただ処理しなくちゃいけない案件が山積みで帰れないだけ。

早く帰って子供と遊びたいな。

2019 day152

今日は久しぶりにゴルフに行った。半期に一度くらいのペースで開催されている社内のゴルフコンペだ。社内のコンペといっても同じ部内の繋がりのある人だけが集まる内輪の遊びだ。最初は7〜8名くらいだったが、回を重ねるごとに参加人数は増え、今回は15名。顔見知りばかりだが、付き合いの古い人、関係性の深い人浅い人、他の事業所の同僚や上司、上司の上司、上司の上司の上司など、様々だ。

さて、今日一日をどのように過ごせるかは、一緒にラウンドするメンバーがかなり重要なのだが、今回は本部長や新しい事業部長と同じ組になった、いや、なってしまった。これは幹事である上司の企みなわけだが、上司の上司の上司と上司の上司、というビッグなおふたりと同じ組というのは、なかなかプレッシャーだ。特に上司の上司の上司である本部長は、ゴルフが達者な方なので、迷惑をかけないようにがんばらなきゃという緊張感もある。そして一緒にラウンドするのも今回が初めて。これは同好会的な集まりの遊びだけど、こういう組み合わせは社内営業的な側面が帯びてくる。

先週、打ちっ放しの練習で、友人(数年前に退職した元同僚)が見つけたYouTubeのゴルフレッスン通りにやったら絶不調に陥ってしまい、これはどうしたものかと、この1週間悩んでいた。昨夜仕事から戻って急いで打ちっ放しに行って、ひとりクラブを振りまくり、ある程度は修正できた。あとはスライスを減らせればなんとかなる。なんとかしたい。なんとかならないかなぁ。

1時間ほど汗をかき、家に戻ったのは0時前。クラブや荷物の準備をしてシャワーを浴び、寝たのは1時過ぎ。夜中、突然の息子の夜泣きに起こされたりして、あまり熟睡できないまま4時半起床。5時に車を出して友人(前出の元同僚の男で、まるで自分の「彼女だね」と妻から茶化されることがあるお茶目な二代目経営者)を迎えに行き、筑波のゴルフ場へ向かった。

予定通りスタートの1時間前に到着し、さぁ練習するぞと勢い込んだところ、なんとこのゴルフ場には練習場がないとのこと。あら、こりゃ困った。最終調整したかったのに。

続々と集まってくるメンバーのみんなと談笑しているうちに、いよいよ開会。(自分だけ)緊張感漂う中、我々第1組のプレイがスタートした。

オナーは本部長。かなり幅狭な打ち下ろしのコースで、フェアウェイを外れるとすぐに深い森が広がっている。ティーの後ろでは、後続組の面々がざわざわざわざわ。最初の組は、特に第1打は、相当なプレッシャーだ。経験がある。

本部長がアドレスに入ると、その場はしんと静まり返った。そして、本部長のスウィング。カン!シューッ……。打球はOBの森の中へ吸い込まれていった。まさかのミスショット。

続いては事業部長。カン!シューッ……。打球は低い弾道で、またしてもOBの森の中へ吸い込まれていった。事業部長とのゴルフは今回が初なのでその腕前は知らないが、ギャラリーのプレッシャーはあっただろうな。

三番手、自分の番。

「空気読んでくださいよー?」

後ろから同僚がヤジを飛ばしてくる。

「もちろんわかってるよ!」

言いながらアドレスに入る。

スライスして森の中へボールを飛ばしたとしても、それはそれで正解と言える状況ではあるが、やっぱりちゃんと打ちたい。

腕を垂直に落として、重心下げて、テイクバックは振りかぶりすぎないように。振り子のように肩を回して、脇を締めたままダウンスウィング。頭はティーに向けたままヘソから先に正面を向くことを意識してインパクトへ。

カン!打球は鋭くまっすぐ飛んでいき、フェアウェイを捉えた。

ナイスショット。我ながらいいティーショットだった。空気を読むことはしなかったが、別にそんなものは本気で求められているわけでもないし、足を引っ張らずについていけますよというアピールができたので、好調なスタートを切れた。

4番手は女性なのでレディースティーから、カン!ポトッ、コロコロコロ。目の前の坂道を転がっていく。こちらもミスショットだが、一応前進したのでOKだ。

これは今日はいけるかも⁉︎

天気が良く気温も上がり、アップダウンのきついホールが続くこのコースで汗をかきかき、なんだかんだワイワイやりながらゴルフを楽しんだ。

1番ホールのティーショットはうまくいったが、毎打調子がいいはずもなく、OBも出したしボールも5〜6個無くした。パターが入らず苦しめられたが、パーは無理でもボギーは取れたし、まずまずのゴルフだった。

本部長はさすがで、パーをいくつも取って、やっぱり上手かった。事業部長は自分と同じくらいのレベルだったので、ちょっと安心した。同僚の女子はいまひとつ調子が出なかったようだが、アプローチからのチップインなど見せ場もあった。4人ともいいペースでコースを回って、自分の緊張も次第にほぐれてきて(とはいっても終始気は使うのだが)、スタートまでの不安はどこへやら、楽しいゴルフだった。

帰りはすべてのプレッシャーから解かれ、すっかりリラックスした車内で友人(前出の元同僚で、超天然な性格で人を和ませ、カラオケでは意図せず少年のような歌声を披露する二児の父親)と気兼ねなく談笑した。コンビニに寄りたいと彼が言うので、ゴルフ場近くのセブンに寄り、アイスを買って駐車場で食べた。30代後半と40代前半の男がやることじゃないが、この友人といるとこういうかわいいことをちょいちょいやってしまうのが不思議だ。そりゃ妻から「彼女だね」と言われるわな。

あー、ゴルフの後のアイス、おいしい!

2019 day149

今日はものすごく怒っている。とんでもない通報があるルートから耳に届いた。そのことではらわたが煮えくり返っている。

世の中にはたくさんのクズがいる。他人のことをクサすのは好きじゃないが、クズはクズだ。

これはあくまでも被害者側の申告を第三者を通して聞いた話でしかなく、加害者本人や周囲の人間へのヒアリングはできていない。なので、まだ断定できることではなく、これから行う事情聴取や被害者側への対応は慎重に慎重を重ねる必要がある。

が、仮に事実だったとしたら、ハラスメントを働いたその加害者はクズだ。いや、ハラスメントどころではなく、これは犯罪行為だ。そして犯行の直前まで同席していた人間も、同様にクズだ。加害者の過去の事例を知っていたにもかかわらず、被害者をひとり残して先にその場を立ち去ったのだから。

他人の人格や尊厳を貶めるようなことをするやつはみんなクズ。怒鳴り散らして頭をはたきたい。自分より弱い立場の人間を踏みにじり、地道に頑張ってきた同僚や上司を裏切り、この職場を守る為に必死に紡いできたものを潰すクズ。

それが事実なのだとしたら。

 

…………。

 

ああ。こんな毒は吐きたくなかった。でも、卑劣な行為が許せないのだ。バカは我慢できても、クズは許せないのだ。

これから対策を考える。

2019 day143

昨日は有休を取って、午前中は3歳の息子の幼稚園のプレへ。いつも前を通るだけだった幼稚園に初潜入。前の日が大雨だったので振替で来た人たちも多かったようで、クラスの中は20組くらいの親子がわらわら。

隣のクラスは年長さんたちがピアノの伴奏に合わせてグリーングリーンを歌っている。息子と廊下を歩いているときに窓から覗いたら、ピアノを弾いているおねえさん先生が見えた。

いた!あの子だ!

ショートボブの彼女は、朝、通勤時にたまにすれ違う人で、いつも可愛いなと思っていた。と同時に、朝早い時間に駅のほうからこの住宅街に向かってくるなんて、いったい何の仕事をしてる人だろうと不思議でもあった。夜勤で帰宅がこの時間?夜の仕事?お水系?そんなふうには見えないけど。

ある日、幼稚園の前で彼女とすれ違った。どちらの方向に歩いていくのか気になったので、そろりと振り返り、後ろ姿を見守った(我ながら気持ち悪い)。すると彼女はそのまま幼稚園の門を開いて中に入っていったのだ。

そうか、幼稚園の先生か!納得!あの子が夜の仕事なわけない!いいなぁ、幼稚園……。

と、また気持ち悪い感想を抱きながら安堵したものだ。

で、昨日初めて幼稚園に行ってみると、息子のクラスの隣でピアノの伴奏をしている彼女を見つけて、テンションが上がった次第。

それはさておき。

息子のクラスは3歳児が通うプレなので、1時間しかやらない。最初の時間はフリータイム。みんな勝手に遊んでる。お片づけのあとは4月5月生まれの子たちの誕生会が開かれた。3歳児はじっとしていられないので、保護者も付き添い前に並ぶ。息子も5月生まれ。妻がパパ行ってあげてと言うので、息子と一緒に前に出た。先生が一人ずつにマイクを向けて、自己紹介をさせた。一人目の子はフルネームを言えた。次、うちの子。口元に当てられたマイクを軽くニヤつきながらじっと見ている。何かを言わなくちゃいけないんだろうな、と思っているのだろうか。それとも、何をしたらいいんだろうか、と困っているのだろうか。数秒、沈黙が続いた。

うちの子は喋れない。声は出すが、有意味語はほとんど出てこない。もちろん、自分の名前なんて言えない。それをわかっていて、敢えて隣で彼のことを見守った。2秒、3秒、4秒。もう耐えられない。息子の代わりに名前を答えた。みんなが拍手してくれる。

次の子も、その次の子も、ほとんどの子が自分の名前を言えた。発音が不明瞭だったり、下の名前だけだったりの子もいたが、ほとんどの子が言えた。

うちの子は自分の名前が言えない。名前を言うという指示さえ理解できていないだろう。

男の子は女の子に比べて発育がゆっくりだというのが一般的な話としてある。自分も言葉を発するのは遅かったそうだ。

息子にとって、言葉の遅れは一つのきっかけに過ぎない。市の発達支援センターに通わせ、発達検査を受け、その結果を医者に見せに行った。医者からは中等度の発達遅滞と診断された。それが昨年のこと。

今年に入って、セカンドオピニオンを求めて、都内の大きな病院へ行った。昨日はその検査結果を教えてもらう日だった。幼稚園のあと、家族3人で病院へ向かった。

担当の男性医師はとてもわかりやすく検査結果を説明してくれた。息子の得意なこと、不得意なこと。総合的に判断して、中等度の自閉症と言われた。

妻はある程度心の準備はできていたらしいが、それでもやはりショックだったようだ。

自分はその分野のリテラシーがあるので、妻とは違う捉え方をしたが、そりゃあ、いろいろ考えるよ。悩むというより考える。

その帰り道。夕方ラッシュが始まる時間帯。電車は混んでいたが、寝てしまった息子を抱っこしていた自分に優先席を譲ってくれた優しい女性がいた。遠慮なく座らせてもらう。そのうち隣の席が空いたので、妻が座った。が、すぐに70代か80代くらいの白髪のお婆さんが乗ってきたので、妻が席を譲った。妻は優しいな。当たり前のことだけど、優しい人柄だな、と思う。

目の前に立った妻と、iPhoneの写真を見ながら談笑していると、隣のお婆さんが何か言ってきた。

「オフ席ですよ」

初めは何を言っているのかわからなかったが、どうやら優先席付近は携帯電源オフということを注意しているらしい。いまどき、そんな根拠のない話に従う人も信じてる人もいないよ、と思ったが、「そうですよね」と言ってiPhoneのカバーを閉じた。

しかし、お婆さんは追撃してくる。「ダメですよ。特に子供の前ではね」と膝の上に抱えている息子を指さし言われた。言いたいことはいろいろあったが、黙っておとなしくしていた。

次の駅に着き、向かい側の優先席が一つ空いた。すると、お婆さんはすかさずそちらに席を移っていった。

自分と妻は顔を見合わせてキョトン。

妻曰く、お婆さんの右隣(自分は左隣だった)の人も携帯を見ていて、それが嫌だったんじゃないかと。はあ、なるほど。徹底してるんだなぁ。

半ば呆れて、ふとお婆さんのほうを見ると、前に立った若い男性にスマホをしまうよう注意していた。

「オフ席ですよ」

彼はその場から立ち去った。

その後もお婆さんは隣の女性にも注意して、さらに新たに前に立った中年男性にも窓に貼ってある掲示物を指さしながら「オフ席ですよ」と注意していた。

お婆さんには背中を向けて立つ格好の妻に逐一実況してあげると、妻は「あれはパトロールだね」と言った。

お婆さんは、とある駅に近づくと立ち上がりドアに向かって進み始めた。夕方ラッシュの満員電車。お婆さんの前には他の人たちが立っている。

お婆さんは目の前に立っている男性に、「あなた、降りるんですか?」と尋ねた。男性は怪訝そうな顔で「はい」と答え、お婆さんは満足そうに頷いた。駅に着きドアが開くと、その男性とお婆さんは他の人たちと一緒に降りていった。

「あれ、最後のどういうこと?」

妻が訊いた。

「つまり、降りないんだったらそこをどきなさいってことでしょ」

「そういうことかぁ!すごいね……」

昼寝から目覚めた息子が猛烈にぐずり出し、途中下車を余儀なくされながらも、なんとか地元の駅に着いたのが19時近く。

もうなんかいろいろあったし疲れたから、焼肉でも食べて帰るか、と最近お気に入りの焼肉屋で腹いっぱい食べて帰宅した。

日が明けて、今日も夏日。

昼間、自拠点から本社へ行く用事があり、その行き帰りは暑かった。歩いて汗をかいたのは今年初だなぁ、なんて思いながら夕方も仕事した。

2019 day140

アベンジャーズ エンドゲーム』を観て以来、一度も劇場鑑賞していない。あれは大型連休に入る前日だったから、今月は一本も観てないことになる。こんなことは何年ぶりだろうか。この2年くらいは年間100本ペースを大幅に割り込んでしまっているが、それは仕事と家族の時間を優先してのこと。それでも週に一本は観に行っていたが、特に最近は家族の時間を最優先にしているので、仕事が定時で上がれた日も映画館に寄らず直帰している。映画の上映時間はチェックしているのに、早く帰れる時はまっすぐ家に帰る。そんな生活パターンになった。

定時で上がると言えば、『わたし、定時で帰ります。』というドラマを観ている。働き方改革が叫ばれている昨今の世相を反映したようなタイトルだが、ノー残業だけでなく、仕事の効率化や女性のキャリア形成や各種ハラスメント対応などがわかりやすく描かれていて、そんなにうまくはいかないよとか思いながらもついつい観てしまう。でも、仕事をキッチリと仕上げ、定時で帰りますと言ってどんな時でも、たとえ周囲の空気を無視してでも定時で帰る主人公の姿は、ワークライフバランスを考えると正しい。ワークがなければライフが成り立たないが、ライフが充実していなければワークの活力が出ない。ただ、今の働き方改革は非常に押し付け感が強く、企業は法令遵守が基本なので、仕事の仕組み改善は後回しで残業抑止だけ拍車がかかり、結果、仕事の仕上がり精度が落ちることにも繋がりかねず、現場が疲弊していくというこの構造はよろしくない。

残業抑止と言えば、働き方改革による残業抑止で手取りが減り、住宅ローンが払えなくなったというケースがテレビで紹介されていた、と妻が言っていた。そう、残業抑止は収入にも響いてくる、という当たり前のことに国や経営層は触れてこないので、そういう人が出てきてもおかしくない。住宅ローンは極端な例としても、生活の質は下げざるを得ない。消費も当然渋くなるので、経済にも影響する。このままだと消費税は10%に引き上げられるだろうから、何かしらのセーフティーネットがないと、家族を作って子供を増やしてという、そもそもの国力を生み出す力が弱まっていく。小市民的な感覚ではそうなる。

セーフティーネットと言えば、奨学金制度は非常に問題で、結局卒業後に何年、何十年も続いていく返済地獄がその本性だ。日本もそうだけど、アメリカの学生ローンは大問題になっているのだが、モアハウスカレッジという大学の卒業式で、式に出席していたある実業家が、卒業生の学生ローンを自費で負担することを宣言したというニュースを読んだ。その額4,000万ドル(約44億円)。なんともビッグな話だ。この大学はもともとアフリカ系アメリカ人の高等教育の為に設立された大学で、マーティン・L・キング牧師の出身校でもあるらしい。しっかりと学び、社会に出て次の世界を築いていく世代への励ましと期待をこんな形で表現できるなんて、アメリカの実業家は二つの意味で懐が広い。

働き方やダイバシティーを広めるには、このような資産家による社会への還元が必要なのだとしたら、政府のやるべきことは何なのか、そして一市民のやるべきことは何なのか、考え直さないといけない。

2019 day126

朝は6時半起床の予定が二度寝して7時過ぎ。急いで支度をして病院へ。今日は2歳の息子の検査の日。

電車とバスを乗り継ぎ、1時間半。妻が受付をしている間、病院ロビーのキッズスペースで遊ぶ。他にも1歳〜4歳くらいの子供たちが3〜4人遊んでいた。大型連休最終日。同行しているお父さんたちが多いようで、キッズスペースは自分ら親子含め、基本的には父と子供たちという図式。お母さんたちは受付やら精算やらに行っているのだろう。

30分くらいそこで遊んだ後、時間になり呼ばれて検査室へ。検査といっても発達検査なので、子供にとっては半分遊びのようなもの。笑い声を上げて楽しんでいた。いつも通り機嫌もよく、大丈夫そうに見えたが、初めての環境で彼は彼なりに戸惑いや緊張があったのかもしれない。先生と遊んでいる(検査を受けている)姿を観察しながらそう思った。

病院は午前中に終わり、帰りは新宿のルミネで昼食を取った。息子があまり食べなかったので、パン屋に寄って好きそうなのを2、3個選んだ。

地元の駅に着き、帰り道にある神社に寄ってご挨拶をした。賽銭箱の前に立ち、連休中の安全を御礼した。隣には真剣に長い間手を合わせている人がいた。

そして帰宅。早い時間だが、もう一仕事終えた気分。往復だけでも3時間。やはり疲れたのだろう。手を洗ったら寝室へ直行し、布団にゴロリ。スヤスヤと寝てしまった。親のほうが。

息子は帰りの電車でウトウトしていたが、家に着くと元気が復活し、昼寝をしている両親の周りでひとり、何やらはしゃいでいる。何がそんなに面白いのか、この子は眠くないのだろうか、そんなことを頭の片隅で考えながらうつらうつら、心地よいナップタイム。夕方まで寝た。

夕飯の買い物に行きたいと言っていたくせに、まだまだ惰眠を貪ろうとする妻を起こし、3人で夕方の町へ買い出しに。ついでにクリーニング屋に寄って、預けてあったワイシャツを受け取る。袋の重さはワイシャツ10枚分とは別に、明日から再開する日々が日常なのか非日常なのか、長いようであっという間に過ぎ去っていった10連休への郷愁が含まれていた。

夕暮れ。アスファルトのオレンジ色の照り返しが、徐々に青く、濃く、深くなっていく。バギーに乗っている間に眠ってしまった息子の頭が振動で動くたびに、彼の栗毛がふわりと揺れる。その栗毛の先端が、まだほんの少し残った日の光に、きらりと輝いた。